(しか)(なお)交戦を継続せむか、

(つい)に我が民族の滅亡を

招来するのみならず、(ひい)

人類の文明をも破却(はきゃく)すべし。


(かく)(ごと)くむは、朕何を(もっ)てか

億兆の赤子(せきし)()し、


皇祖皇宗神霊(しゃ)せむや。

れ朕が帝国政府をして共同宣言に

(おう)せしむるに至れる所以(ゆえん)なり。


朕は帝国と共に終始東亜の解放に

協力せる諸盟邦(しょめいほう)に対し、

遺憾の意をせざるを得ず。


帝国臣民にして、戦陣に死し、

職域(じゅん)し、

非命(ひめい)(たお)れたる者、


(および)()の遺族に(おもい)を致せば、

五内(ごない)(ため)()く。


(かつ)戦傷(せんしょう)い、

災禍(さいか)(こうむ)り、

家業を失いたる者の厚生に至りては、

朕の深く軫念(しんねん)する所なり。


(おも)うに、今後帝国の受くべき苦難は

(もと)より尋常にあらず。


臣民衷情(ちゅうじょう)も、

()(これ)を知る。


(しか)れども、朕は時運(おもむ)く所、

きを堪え、び難きを忍び、


(もっ)万世(ばんせい)

太平(たいへい)を開かむと欲す。


朕は(ここ)に国体を護持し得て、

忠良なる臣民の赤誠(せきせい)

信倚(しんい)し、常に臣民と共にり。